インド ザンスカールという桃源郷
インド ザンスカール パドゥム
ここはインド北部、ラダック地方。人種も文化も、インドというよりはチベットにかなり近い場所。そんなラダックの中心地レーから路線バスに揺られる事20時間、いくつもの村や峠を越えた先にあるのがザンスカールだ。それまではずっとゲストハウスを転々としていたが、ここではホームステイに泊まることにした。とても暖かな家族が私を迎え入れてくれた。 ちょうど私と同世代の男女二人が宿番をしていた。男の子はこの地域についてかなり詳しい上に、歌手としても活動する有名人だった。女の子も同じくザンスカールの事を良く知っていた。彼女が作る夕食はとても美味しかった。もともと一泊で出ていくつもりが、居心地が良いあまり一週間も滞在した。途中日本が好きだという村の男の子とも知り合い、その彼が村を一周案内してくれたこともあった。 ザンスカールの人々は仏教を信仰しており、各地に僧院がある。一部の子供たちは幼いころから僧院に預けられ、そこで仏教を学び勉学に励むという。村のはずれの僧院を訪れると、僧侶の服を着た子供たちが庭ではしゃぎまわっていた。 最後の夜、眠りに落ちる前にふと窓の外を見ると天の川があった。外に出てみると、夜空には一面に輝く星々が見えた。 その地理的条件から他の地域とは隔絶した暮らしを営み、独特の文化を育んできたこのザンスカールは、まさしく桃源郷と呼ぶのにふさわしい場所だった。