フンザ、カラコルムを越えて
パキスタン ギルギットバルティスタン州 カリマバード
新疆の最果ての町タシュクルガンからバスを乗り継ぎ、やってきたのはパキスタンの北部、フンザ地方。ここは風の谷のナウシカのモデルになったとも言われている、美しい場所だ。カラコルム山脈の山々に囲まれたこの土地の風景は、どこを切り取っても美しい。この土地にも季節の移ろいがあり、春には杏の花が町全体に咲き乱れるという。 もちろん美しいのは風景だけではない。この土地の人々、そして彼らが受け継いできた文化、重みのある歴史。 フンザ地方を形作っているそれぞれが、独特の輝きを放っている。ここは国としてみればパキスタンだが、住んでいる人々は多くのパキスタン人と異なる遺伝子を持っている。先祖はイラン系の移住民だという説も、アレクサンドロス大王の末裔だという説もある。 彼らは旅人を尊重し、丁重にもてなしてくれる。そして、決して我々のコンフォートゾーンに入り込んでくるということはしない。この礼儀正しく、そして程よい距離間が多くの旅行者を引き付ける理由かもしれないと思った。 そんなフンザも、近年は地球温暖化の波にさらされている。この地に昔から住む古老たちは、皆口をそろえて昔の方がずっと美しかったと言う。このフンザの美しさを後世に残すことができれば、なんと素晴らしいことだろうか。